
サイディングボードは、外壁に使用されるもので、コストパフォーマンスが高く豊富な種類があることが特徴です。
機能性などから、人気が高く国内では約8割のシェアを占めているんです。
高機能で、コスパの良いサイディングボードですが、経年劣化や住宅の構造などによりひび割れや反りなどが起こってしまっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、
・【基礎知識】サイディングとは?
・サイディングのひび割れの種類と原因
・サイディングのチェック方法
・ひび割れを放置するとどうなるか
・サイディングの補修方法と価格相場
を解説していきます。
サイディングのひび割れの種類や原因を知ることで、予防することができるようになりますので、是非最後まで読んでみてくださいね!
1.【基礎知識】サイディングとは?
まず、「サイディング」とは、木造住宅の外壁に使われている耐水・耐天候性に優れた板のことをいいます。
サイディングには、窯業系・金属系・樹脂系・木質系の4種類があり、種類によってそれぞれ特徴が異なります。
サイディングは、実はまだ歴史が浅く、1980年代まではモルタル(塗り壁)が主流でした。
ですが、このモルタルは施工に高度な技術が必要だったり、工期が長くなってしまったりといったデメリットがありましたが、これらのデメリットを払拭したのが、サイディングボードなんです。
1-1.窯業系サイディングボード
窯業(ヨウギョウ)系サイディングボードは、国内でのシェア率が約70%と、一般的にサイディングといえばこの窯業系サイディングボードのことをいいます。
木目調やレンガ調、タイル柄、ストーン柄など、様々なデザインに対応でき、初期費用が安いなど、総合力に優れているのが大きなメリットです。
【メリット】
・窯で作る
・加工しやすく、多様なデザインがある
・軽く、耐久性がある
【デメリット】
・水に弱い
・ひび割れが起きやすい
・シーリングが劣化しやすい
1-2.金属系サイディングボード
金属系サイディングボードは、アルミやスチールなどの金属で作られているサイディングボードです。
どの素材でも軽く、人気なデザインのシックで繊細な雰囲気の外壁にすることができます。
【メリット】
・非常に軽い
・洗練された見た目にできる
【デメリット】
・錆ができやすい
・メンテナンスに制約がある
1-3.木質系サイディングボード
木質系サイディングボードは、木でできたサイディングボードです。
木本来の温かみを感じられ、外壁をナチュラルな雰囲気にしてくれます。
木は、調湿作用があり、家の中の湿度をある程度一定に保ってくれるという大きなメリットがあります。
【メリット】
・調湿作用により、室内の湿度がある程度一定に保たれる
・木の温かみを感じられる
【デメリット】
・費用が高い
・寿命が短い
・メンテナンスが大変
1-4.樹脂系サイディングボード
樹脂系サイディングボードとは、塩化ビニルなどの樹脂で作られたサイディングボードです。
強度が強く、腐食しにくく、燃えにくいというメリットがあり、外壁材としては非常に優秀です。
ですが、日本ではあまり普及していません。
理由としては、施工できる業者が少ないためで、知名度も非常に低くなっています。
【メリット】
・耐久性が非常に高い
・腐食しにくく、燃えにくい
・寒冷地に強い
【デメリット】
・施工できる業者が少ない
2.サイディングのひび割れの種類と原因
窯業系サイディングボードは、デザイン性の高さやコストの面で非常に優秀なため、日本で普及しています。
一方で、吸水性が高いため、水に弱いのが大きなデメリットです。
窯業系サイディングボード自体は非常に水に弱いため、防水機能のある塗装をしていることが多いです。
この防水加工が剥がれてくると、そこから水が染み込み、サイディングボードが浮いてきたり、ひび割れを起こしてしまうんです。
2-1.ひび割れが起こりやすい箇所
窯業系サイディングボードはひび割れが起こりやすいですが、ひび割れが起こりやすい箇所は、主に、
・シーリングが劣化した箇所
・釘やビスの周辺
・塗装が剥がれた箇所
・施工不良の箇所
以上4箇所です。
特に、経年劣化によるシーリング箇所の劣化や、防水加工の塗装が剥がれた箇所は要注意です。
また、雨水・紫外線による劣化や、窓の開け閉めによる振動もサイディングのひび割れの原因になります。
ですので、雨水がつたってくる箇所や強い紫外線が当たりやすい箇所はチェックポイントです。
窓のサッシは実は非常に重いため、サッシの下側の外壁には常に負担がかかっています。
そのため、他の場所よりも負担がかかり、ひび割れを起こしやすい箇所になっています。
2-2.前回の点検・メンテナンスからどれくらい経っているか
サイディングにかかわらず、住宅などの建物は年数が経つと劣化します。
それぞれの材料などによって耐用年数は違いますが、基本的に住宅のメンテナンス・点検は5年から10年を目安に行いましょう。
サイディングの場合は、5年に1回シーリングの点検・メンテナンス、10年に1回塗装のし直し、住宅の全体の点検を行うのがおすすめです。
2-3.劣化を放置していないか
サイディングが剥がれたり、内部まで雨漏りが侵入していたりと大きな不調がある場合、小さな劣化から深刻化していった可能性が非常に高いです。
最初の小さな劣化を見逃さないように定期的なメンテナンスをしましょう。
2-4.施工不良はないか
サイディングボードを固定する際に釘やビスは適正な位置に打たれていないといけません。
あるべき位置に釘やビスが打たれていないと、そこに負担がかかり、サイディングボードの反りやひび割れなどが起きてしまいます。
ですので、外壁に打たれている釘やビスにも着目して確認してみましょう。
3.サイディングのチェック方法
サイディングボードは、いきなり劣化しひび割れが起きるわけではなく、徐々に劣化しひび割れが進行していきます。
早い段階で発見し、修復するためにもサイディングボードの劣化について知っておきましょう。
3-1.サイディングボードにひび割れがある
表面の塗装の劣化やサイディングボードの浮きや反りが激しくなってくると、ひび割れが起こります。
建材に雨水などが侵入し、天候によって寒暖差があると水分は膨張・収縮を起こします。
この膨張・収縮によって大きな負荷が外壁に加わりひび割れを起こすのです。
5年に1回程度点検をし、早期発見をすることで、大きなひび割れを防ぐことができます。
最初に発見するのは髪の毛程度の細いひび割れ(ヘアークラック)です。
このヘアークラックを放置してしまうと、構造クラックと呼ばれる大きくて深いひび割れが発生してしまいます。
3-2.サイディングボードが浮き、ズレ、反りがある
サイディングボード全体に水が染み込み、変形を起こすと反りが発生してしまいます。
原因としては、外壁に塗装が剥がれ、雨水が染み込んでくることによる膨張です。
また、サイディングボードの反りを放置すると反りが大きくなり、ズレたり浮いたりしているように見えるようになります。
ズレたり、浮いたりしたところからさらに雨水が入り込みやすくなるため、室内へ雨が侵入してしまう可能性もあります。
3-3.シーリング部分にひび割れがある
外壁を確認するときに、目が行きがちなのはサイディングボードですが、まだ建ててから年数が経っていない場合、まずはシーリング材をチェックしましょう。
外壁よりも劣化が早く始まるのはシーリング部分です。
3-4.塗膜が剥がれている、チョーキングがある
経年劣化により、塗膜が剥がれている、チョーキング(粉が吹く)現象が発生したりします。
塗膜の剥がれやチョーキング現象が発生している場合、再塗装を早急に検討しましょう。
点検やメンテナンスの頻度は5年に1回程度です。
4.ひび割れを放置すると…
サイディングボードのひび割れを放置すると、
・基礎等の腐食
・サイディングボードの落下
・シロアリの発生
・凍害現象
以上のような症状や被害が発生する可能性があります。
外壁は家を雨や風などから守ってくれるという役割があります。
サイディングボードが劣化することで、ひび割れなどから内部に水が侵入し、内側の木材や下地部分が腐食してしまいます。
腐食が進むと、シロアリが発生する危険性も高まるんですよ。
また、特に寒冷地では凍害にも注意しなくてはなりません。
凍害とは、サイディングのひび割れから染み込んだ水分が冬場の寒さで凍り、体積が増えることで外壁を割ってしまうことをいいます。
これらの被害を未然に防ぐためにも、しっかりと定期的に点検・メンテナンスを行うことが重要です。
5.サイディングの補修方法と価格相場
ここからはサイディングのひび割れなどの補修方法と費用相場をご紹介していきます。
サイディングのひび割れなどの劣化は住宅に深刻な被害をもたらします。
放置すると住宅の寿命までも縮めてしまう可能性があるんです。
DIYなどで小さなひび割れを補修している方もいらっしゃいますが、基本的には、ひび割れなどの劣化を見つけたら専門の業者に依頼しましょう。
サイディングなどの補修の種類や価格相場は以下の通りです。
5-1.シーリング補修
劣化しやすいシーリングの補修には2種類の補修方法があります。
「打ち替え」という方法は、既存のシーリングを撤去し、新しいシーリングと交換することをいいます。
「増し打ち」という方法は、既存のシーリングの上から新しいシーリング材を追加することをいいます。
費用で見ると打ち替えよりも増し打ちの方が安く済みますが、劣化の再発が早くなってしまうというデメリットがあります。
5-2.サイディングの補修
サイディングボードの小さなひび割れは、シーリング材で埋めることができます。
この場合は、費用相場が20〜50万円ほどで張り替えよりも格段に安く済みます。
ですが、2階以上の高さになると足場代が追加になるので気をつけましょう。
5-3.サイディングの張り替え
サイディングの張り替えは、サイディングに浮きや反りが出ている場合に行われます。
既存のサイディングボードを全て撤去し、新しいものと入れ替えます。
このため、費用は高く、工事の期間も長くなります。
メリットとしては、全てのサイディングボードが入れ替わるのでひび割れやその他の症状が改善されるのはもちろん、デザインを変えることもできるため、外壁の雰囲気や印象を変えることができることです。
5-4.再塗装
再塗装は、塗膜の剥がれや、チョーキング現象が起きている時に行われます。
塗料はたくさんの種類があり、機能性があるほど高額になります。
コスパの面でシリコン系が主流になっています。
6.施工業者の選び方
サイディングのひび割れを放置していると床下の腐食や室内への雨水の侵入など、住宅に大きな被害をもたらしてしまいます。
サイディングの補修施工を業者に依頼する場合、安心して任せられる業者を選びたいですよね。
業者を選ぶ際に最も重要なポイントは相見積もりです。
相見積もりとは、見積もりを1社のみに依頼するのではなく、複数の業者や会社に見積もりを依頼することをいいます。
相見積もりをすると費用相場がわかりますし、営業マンや担当者の対応も比較することができます。
相見積もりを依頼する際に気をつけるべきポイントは、
①サイディングの症状に合った補修方法か
②現地調査は丁寧か
③専門用語を使わず、わかりやすく説明してくれるか
④質問や相談に対してしっかりと返答してくれるか
⑤見積もりの詳細は曖昧ではないか
⑥契約を急かしてこないか
以上に注意してみましょう。
サイディングの補修には専門的な知識が必要です。
安心して依頼できる業者を選ぶためにも、強引な営業マン・担当者や、詳しい説明を避けるような業者は避けるようにしましょう。
7.まとめ
今回は、サイディングのひび割れについて、
・【基礎知識】サイディングとは?
・サイディングのひび割れの種類と原因
・サイディングのチェック方法
・ひび割れを放置するとどうなるか
・サイディングの補修方法と価格相場
以上をまとめてみました。
参考になれば嬉しいです。
気になる方は他の記事もぜひ読んでみてくださいね。
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